一番強い馬は逃げ馬?脚質を詳細解説!!
![一番強い馬は逃げ馬?脚質を詳細解説!!](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/thumbnail-1.png?20240530)
脚質とは?
脚質とは競走馬の脚の強さのことでは無く、「レース中の戦略のこと」です。
基本的に4つの区分があり、レースの後に「あの馬はこの脚質だったね」という風にわかります。
逃げ
脚質が逃げの馬「逃げ馬」はゲートが開いてスタートした直後に先頭の位置を狙い、そのままゴールまで先頭で居続ける戦略です。
先頭なので邪魔する馬が無く、自分の全力のペースに他の馬を合わせさせるのでレースの主導権を握る戦略です。
逃げ馬で有名なのはキタサンブラックやハクサンムーンです。
先行
脚質が先行の馬「先行馬」はスタートした後に逃げ馬の後ろの位置を狙い、逃げ馬を追い越すのを狙う戦略です。
逃げ馬はレースの主導権を握りやすいですがスタミナを消費しやすいのですが、先行馬は無理せず自分のペースで走れるのがメリットです。
先行馬で有名なのはステイフーリッシュやゴールドシップです。
差し
脚質が差しの馬「差し馬」はレース終盤に全速力を出して一気に1着を狙う戦略です。
馬群の後ろからプレッシャーを掛けつつ自分が有利になるようにレースを作っていかなくてはいけないため難易度の高い戦略だと言えるでしょう。
差し馬で有名なのはリスグラシューやエアスピネルです。
追い
脚質が追いの馬「負い馬」は最後方の位置を狙い、レースの終盤に全部抜き去る戦略です。
主に何らかの理由で馬群で競り合えない馬がこの戦略を取らざるを得ない場合が多いです。
追い馬で有名なのはショウナンマイティやキズナです。
どの脚質の馬が強い?
ではどの脚質の馬が最も強いのでしょうか?
![2010年から2021年のデータで3着回数と1着回数で分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_best.png)
逃げの1着率が高く、全体比率で48%もあります。
これが逃げ馬が強いと言われる所以です。
馬群を引っ張ってレースメイキングできるのは逃げ馬の強さでしょう。
次いで先行馬が全体比率が35%です。
逃げ馬よりも劣りますが3着率が37%もあるので、十分強いと言えるでしょう。
逃げ馬のペースに追いつけるほどの地力のある馬もまた強いというわけです。
差し馬はレースでハラハラさせる存在ですが、全体比率では13%とそこまで勝ちきれる訳では有りません。
最後の直線で一気に追い抜かなければならないので、相当な地力が無いといけないのでしょう。
最後の追い馬ですが、これは完全にペースについて行けていない馬です。
前走の脚質が追いの場合は、今走ではどういうレースになるのか良く見極めないといけません。
枠番ごとの有利な脚質
枠番は小さいほどコースの内側になるので先頭に出やすく、大きいほどコースの外側になるので後手になるイメージですよね。
枠番は脚質に影響するのでしょうか?
![2010年から2021年のデータで枠番ごとの1着回数率で分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_wakuban.png)
逃げ馬は5枠が最も強いという結果になりました。
意外にも内枠でも外枠でもなく中枠が逃げ馬に適しているようです。
先行馬についても4枠が最も強いという結果になります。
逃げ馬と同様に中枠が有利のようですね。
差し馬は2枠が最も強いという結果で、追い馬は8枠が最も強いという結果になりました。
これは刺す為の馬群での位置、追う為の馬群の位置がそれぞれ内枠と外枠で適しているからだと思います。
芝とダートの脚質の差
次に芝とダートでの脚質も考えてみましょう。
![2010年から2021年のデータで芝とダートの1着回数率で分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_track.png)
ダートと芝でも同じように逃げ馬と先行馬が強いという結果になりました。
しかしダートの方が逃げ馬と先行馬の比率が高く、逆に芝の方が差し馬と追い馬の比率が高いようです。
ということはダートは逃げ馬と先行馬の重要性が高いので、差し馬と追い馬はあまり馬券に絡めないほうが良いということになります。
の場合はダートほど差し馬と追い馬の比率は悪くないので、過小評価しすぎに注意する必要がありそうです。
距離ごとの有利な脚質
逃げ馬はレースの最初からペースを早めなければならないのでスタミナよりも初速重視
逆に差し馬はペースについて行き、速度が落ちた逃げ馬を追い越すために初速よりもスタミナ重視
ということは距離が短くスタミナの必要性が低いレースは逃げ馬が強く、距離が長くスタミナが必要なレースは差し馬が有利なのかも知れません。
2010年から2021年のデータで距離ごとの1着回数率で分析をしてみました。
![2010年から2021年のデータで距離ごとの1着回数率で分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_kyori.png)
仮説通り短距離レースの逃げ馬は圧倒的な強さを誇ります。
やはりスタミナの必要性が低く、初速を出せる逃げ馬は短距離レースはとても有利ですね。
逆に長距離になるとスタミナが必要になるため、逃げ馬の勝率は先行馬と同じくらいまで低くなってしまいます。
前走が逃げ馬であっても、今走が長距離の場合は過信しないようにしましょう。
差し馬は長距離になるほど有利になりますが、それでも逃げ馬や差し馬の勝率を超すほどではありませんね。
多少有利になるくらいなので、差し馬だからといって過信しすぎは禁物です。
競馬場ごとの脚質の分析
最後に競馬場ごとの脚質の分析をしてみましょう。
それぞれの競馬場でコースの特徴が違うので、きっと面白い発見があるはずです!
![2010年から2021年のデータで札幌競馬場の脚質の分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_sapporo.png)
平均よりも先行馬が有利な結果になりました。
3着以内率は逃げ馬よりも高いため、馬券に絡めると高的中率で高回収率になりそうです。
![2010年から2021年のデータで函館競馬場の脚質の分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_hakodate.png)
逃げ馬が圧倒的に有利な結果になりました。
差し馬と追い馬は不利と言えるでしょう。
![2010年から2021年のデータで福島競馬場の脚質の分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_hukusima.png)
逃げ馬が有利な結果になりました。
先行馬も平均的に勝てるので、そこまで過小評価しなくて良さそうです。
![2010年から2021年のデータで新潟競馬場の脚質の分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_niigata.png)
逃げ馬が有利な結果になりました。
平均的な脚質の勝率比率と似た形になっていますね。
![2010年から2021年のデータで東京競馬場の脚質の分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_tokyo.png)
平均よりも差し馬が有利な結果になりました。
先行馬に押されて逃げ馬は平均よりも不利なので注意が必要です。
![2010年から2021年のデータで中山競馬場の脚質の分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_nakayama.png)
逃げ馬が有利な結果になりました。
平均的な脚質の勝利比率とほぼ同じですね。
![2010年から2021年のデータで中京競馬場の脚質の分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_chukyo.png)
逃げ馬が有利な結果になりました。
こちらも平均的な脚質の勝利比率とほぼ同じです。
![2010年から2021年のデータで京都競馬場の脚質の分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_kyoto.png)
逃げ馬が有利な結果になりました。
平均よりも逃げ馬が多少有利、先行馬が多少不利になっているのが特徴的です。
![2010年から2021年のデータで阪神競馬場の脚質の分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_hansin.png)
逃げ馬が有利な結果になりました。
平均的な脚質の勝利比率と似ていますが、3着以内率は逃げ馬と先行馬がほぼ一緒なのが特徴的ですね。
![2010年から2021年のデータで小倉競馬場の脚質の分析](https://muryou-keiba-ai.jp/wp-content/uploads/2022/01/kyakusitu_kokura.png)
逃げ馬が有利な結果になりました。
平均よりも差し馬が不利で、さらに追い馬も不利なので気をつけましょう。
脚質をレース前に予想する方法
脚質の有利不利がわかりましたが、本来脚質というのはレースの後にしか判別できません。
そんな脚質を予想できる方法はあるのでしょうか?
過去のレースから予想する。
過去のレースの脚質の回数などから、今走の脚質を予想する方法があります。
しかし完全に予想できるわけでは無く、あくまで統計的な予想です。
たとえば、逃げ馬で有名なキタサンブラックは
逃げ:7回
先行:11回
差し:1回
追い:1回
となっています。
さらに、追い馬で有名なキズナは
逃げ:0回
先行:2回
差し:3回
追い:7回
となっています。
それぞれ得意な脚質が多くなっているので、脚質の予想はできそうです。
レース展開から予想する。
出走する全部の馬を見て、レースの展開を予想するのも良いでしょう。
先行馬が多いと、逃げ馬はキツそうだな…とか
差し馬が多いなら、レースは早くなりそうだから追い馬はキツそうだな…など
レース展開でどの脚質になるかを予想するのもアリだと思います。
パドックから予想する。
パドックをみて調子から脚質を予想する方法もあるでしょう。
調子が良さそうであれば逃げ切れそうだな…とか
調子が悪そうであれば、早いレース展開になるなら先行できなさそうだな…など
馬の調子によって脚質は変わることもあるので、パドックを見ると意外な発見があるかも知れませんね。
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